お家探しでは、2階以上を必須項目にする人も多いですが、あれこれと条件を加えていくと希望の家賃から離れてしまい、「やっぱり1階でもいいや」と妥協してしまうこともあると思います。確かに、家賃が少し下がる傾向にあるうえに、毎日の生活を1階で送れるということは気軽で良いですが、忘れてはいけないデメリットもあるということをお伝えしたいと思います。 大雨や洪水の警報・注意報が流れたとき、なんとなく他人事の様に感じてしまうという方も少なくないのではないでしょうか。どこか、遠くで起こる災害の様に思ってしまいますが、ちょっと立ち止まって考えてみれば、あなたのお住まいの側に大小問わず河川があるというケースが多いです。その河川が増水して道に流れ出し、あなたのお家のすぐそばまでやってくることを想像してみてください。1階にお住まいの場合、想像以上に早く水が部屋の中に浸入してきます。ちょっとした隙間から入り込んだら最後、川の水位が引くまであなたの部屋が水浸しになるのです。足元だけならまだしも、もしそこが低い土地だった場合は部屋の大部分まで水がやってきて、部屋の中のものが全てダメになる可能性はおおいにあります。また物だけならまだしも、もしあなたや家族がその部屋に取り残されてしまったら、命も返らなくなる可能性だってあるのです。
だからといって、1階に住むことが危険であるということではありません。1階に住むのであれば、水害の危険が生じたらすぐに対策ができる様にしておくことが必須になります。例えば排水溝やトイレから水が逆流しない様にする段取りをいつでも万全にしておくことであったり、危険が迫った時に、あなたと家族が同じ意識で避難することができるようにしておくということになります。常に備えをしておくことが、あなたにとってどれほどの負担であるかを考え、少し上がる家賃とのバランスを考えることをおすすめします。
大規模な災害が起こったすぐ後は、多くの人がその対策について考え行動するものですが、少し時間が経ってしまったり遠くで起きたことであればたちまち自分事ではなくなり、他人事の域を出なくなってしまうのが災害の恐ろしさです。
忘れてはならない教訓となった水害が、近年いくつも発生しています。気候の変動や外来生物の影響を顕著に受けるこの頃の日本において、水害は、いつ起こってもおかしくない、想定外という言葉が通用しないというほど身近な危険であるという話も耳にします。島国であり、水源が豊富である裏には、水害がすぐそばにあるということを忘れてはいけません。